福田 逸の備忘録―独断と偏見

dokuhen.exblog.jp
ブログトップ
2007年 09月 14日

安倍辞任に思ふ

 私には訳が分からない。あれだけ安倍潰しに躍起になつてゐたメディアが、まるで、掌を返したやうに、首相の突然の辞任を「無責任」だと非難してゐる。素直ぢやない。叩いて潰して入院までさせたのだから、朝日新聞を筆頭にメディアは自らの勝利に酔い痴れて素直に欣喜雀躍すればよいものを……などと書くと、こちらの方が素直ぢやないと言はれさうだが、私はその程度の感想しか、今回の「辞任劇」に、持たなかつた、では、芸がなさ過ぎると言ふなら――

 たまたま十二日の午後一時半頃から、出先でテレビを見てゐて、二時の辞任会見やその後の永田町の右往左往、メディアの上滑りなその場しのぎの番組を、飛び飛びだが見てゐた。勿論、突然の辞任のテロップに驚きはした。前代未聞には違ひない。それでも大した事ではない、さう思つてゐる。実際、日本中探してもそれを深刻に受け止めてゐる人間は永田町以外にどれほどゐるのか。今日会つた知人の間でも、安倍さん、政治家に向いてゐなかつたんだ、で話は終わり、後は自分達の仕事のことばかり。世は全てこともなし、ではないのか。

 外交はさうではないと仰る方がゐるかも知れない。冗談ぢやあない。「政治的空白」? これも嘘だ。もしも政治的空白をいふなら、テロ特措法に反対して民主党と一緒になつて一国平和主義的籠城をする方が、よほど恐ろしい外交上の政治空白を招来する事くらゐ、実は小澤だつて分かつてゐるだらう。分かつてゐないとなれば、政治家としては安倍以上に死んでゐる。引退を勧める。

 空白をいふなら、我々は戦後六十有余年、真の意味での「政治の空白」を経験して来てゐるではないか。今の日本が独立国だと本当に言い切れるのか。専守防衛といふ言葉がつひこの間まで横行、闊歩してゐたこの国、国防はアメリカに全てをおんぶしてゐた(ゐる)この国を独立国と呼べるか。しかも、今、アメリカは有事に決してこの国を守りはしない。テロ特措法を延期できなければ、いよいよ、見捨てられる。その時、日本の仮想敵国は一に米国、二に中国、いや、前門の狼に後門の虎、どちらがどちらといへなくなる。恐らく、前にどこかで触れたが、その頃にはこの国は中国の属国になるしかなくなつてゐる。

 一国で完全な防衛体制を敷けと言ふつもりは毛頭ない。しかし、テロ特措法すら認められぬといふ、時代錯誤も甚だしい論議を持ち出す野党に参議院の過半数を制させる投票行動やメディアに、「政治の空白」を云々する資格等ありはせぬ。独立国の気概も、国を守る意志も見せぬこの国の政治家にも国民にも、無責任な安倍を非難する資格等ありはしない。同情して言ふつもりでも身方するつもりもないが、少なくとも安倍は、それを理念の上とはいへ、戦後の空白を埋め合はせやうとしたのではなかつたか。

 その安倍を「年金」「格差」「政治とカネ」の「おカネ三点セット」で潰しに掛かつたのが、メディアと、恐らくはメディアと裏でつるんだ官僚だらう。官僚の内部告発がなければ、ああまで次々と大臣がカネの問題で辞任に追ひ込まれるはずがない。小泉の構造改革で既得権益を失ふ官僚が、恨みつらみを安倍にぶつけた、恐らく、官僚の中に潜りこんだ左翼陣営がメディアに情報をリークした。これは私の憶測に過ぎないが、恐らくはそんなところだらう。

 三点セット、よく考へて欲しい。全て「カネ」の問題ではないか。参院選が、そんなケチな問題で戦はれたことに、既に「政治の空白」があることは明白だらう。首相辞任による政治の空白より、長い政治の空白を参院選前から、数ヶ月にわたつて生み出したのは、どこの誰だ。潰れた安倍は弱かつた。それは間違ひない、政治家としての再起は望むべくもない。そこに追ひ込んだ得体の知れないこの国の誰かに責任を求めるつもりも毛頭ない。ただ、六十有余年はともかく、この数ヶ月の政治の空白を生み出した連中はメディアであれ野党であれ、国家の敵であることは疑ひない。
[PR]

by dokudankoji | 2007-09-14 02:19 | 雑感


<< クローデルに顔向けできない      こちらに移します >>


記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
XML | ATOM

Powered by Excite Blog

個人情報保護
情報取得について
免責事項