福田 逸の備忘録―独断と偏見

dokuhen.exblog.jp
ブログトップ
2005年 09月 10日

お國と五平

 明日から、名古屋御園座の歌舞伎の稽古開始。作品は谷崎の『お國と五平』。あくまでこの二人の主従(男女)の話なのだが、主役は別にゐるといつてよい。三者三様に主役とも言へる。三人目の友之丞がいまでいふストーカー。
 
 谷崎が今生きてゐたらどんなストーカーを描いたか、ちよつと興味深い。江戸時代を設定にしたこの作品と比べたら、平成のストーカーでは、随分と貧相な人物造型にならざるを得なかつただらうか。時代設定が平成になつてしまつたら、作品そのものにも、谷崎の艶も情緒もまるでなかつたかも知れぬ。

 いづれにせよ、このやうな、もしもといふ想像に何の意味もあるまいが。どうせなら、宮部みゆきあたりに、ネットストーカーでも主人公にして書かせたら、娯楽作品にはなつて面白からう。

スタッフの打合せはすべて終了してゐるが、この作品は舞台の進行に従がつて微妙に動いていく三人の心理をどこまで出せるかで決まるため、明日から数回の稽古で出来不出来はすべて決まる。

 舞台装置や音楽はかなりシュールにとお願ひしてある。とはいへ、江戸の那須原の夕暮れがキンキラキンになるわけでもないが。いずれまた東京でも上演することと思ふ。これが三度目で、友之丞役の三津五郎の好演ゆゑ、必ず次があると信じてゐる。
 名古屋方面の方は、乞御期待! 十月一日初日、昼の部、勘三郎襲名興行です。昼の部は他に、口上、連獅子、河内山。
[PR]

by dokudankoji | 2005-09-10 23:43 | 雑感


<< 歳月と世相――『お国と五平』の...      三日御定法 >>


記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
XML | ATOM

Powered by Excite Blog

個人情報保護
情報取得について
免責事項