2005年 08月 24日

政界再編を望む(一)

 ホリエモンの出馬が伝へられ、彼がどのやうな発言をするか興味津々(期待三分?)だつた。しかし、案の定である。そもそも出馬時の借りてきた猫のやうな物言ひからして、がつかり、あの凄まじいほどの喋り方は影を潜め、なにやら神妙。これでは折角担ぎ出した方も、出馬を喜んだ大衆もつまらないだらう。ホリエモンはあくまで敵役でなくてはならぬはずだ。(小泉によく似て)その勢ひのよさに若者を中心に人気が出たのではないか。敵役でなくなつては存在意義すらないことを、頭の切れる堀江氏、まさか気づいてゐないはずはあるまい。(民主からも声が掛かつたさうだが、なぜ断る。野党精神こそあなたには似つかはしい!)

 そのあたりの自己矛盾が露呈したのが二十一日の10ch、サンデープロジェクトでの、しどろもどろの弁論だらう。田原総一郎の、かつてあなたは「権力なんて面倒くさいものは必要ない」「ちょっと頭のいい人はやっぱり政治家なんかやりたくないでしょう。少なくとも僕はやらないな」と明言してゐたのに、なぜ出馬したのかといふ問ひにまともに答へられず、ヘドモドしてゐたのは少々みつともない。

 敵役が権力に近づくなどと自己撞着もいいところだ。これからの彼が見ものであらう。めでたく当選してしまつたら(苦戦とは聞くが)、陛下御臨席の折に、Tシャツにシャツジャケットでも着て現れるのだらうか。楽しみだ。ネクタイ姿も見てみたい。ついでに小泉首相が、当選一回議員を即、大臣にしたら燕尾服で写真撮影となるわけで、是非首相にそれを望みたいくらゐだ。

 先の討論番組で田原が、さらに続けて、政治家は片手間に出来る仕事では無いだらうと問ふと、「意地悪じゃないですか」とやけに可愛く受け、「自分は一生懸命やりますよぉ」と答へてゐた。「一生懸命て、何を?」と突つ込まれると、「ウン?」と一瞬つまつた後、堀江が並べたのが、「経済改革とか、財政改革とか、政治改革とか……順次やっていきますよ」と、高校生の弁論大会以下の返答。田原の更なる突込み、「そんなことやってたらライブドアの経営できなくなるでしょう」との問ひには「出来なくないですよぉ……」といつた具合。

 これは即答を必要とされるテレビの討論番組だから、時に想定外の(想定内でも)質問にスマートに答へられないことも、分からぬ訳では無い。

 それはさておき、堀江貴文が無所属であれ、実際は自民の隠れ候補であることは言を俟たない。その堀江を含め、今回の造反組への対立候補の選ばれ方だが、その無定見ぶりはホリエモン出馬に極まつたといへよう。カリスマ主婦やら、曰くつきの女性官僚は言はずもがな。この堀江氏、今度は新聞の(産経・二十三日朝刊)のインタビューで国家感を問はれ、概ね次のやうなことを答へてゐる。

 「国という単位を特別視していない。市町村とたいして変わらない。国にこだわるものではなく、もっとグローバルな視点でものを見なければいけない」選挙は「日本町会議に立候補するようなつもり」「自分の田舎のことを知らなくても、東京で成功する人はいる。だから自国を知らなくても世界には通用する。僕の国家感は世界は一つということ」、小泉首相が「靖国参拝になぜあれほどこだわっているのかわからない。自分には靖国への思い入れはないし、よくわからない。悲しむ人がいるなら参拝する必要は無い」……。

 国と市町村とが変はらぬなら、市町村にも自衛隊(軍隊)をおくべし。グローバル云々は最早古臭い。自国のことを知らなくても世界に通用するのはITの世界だけ。世界が一つならイラクで米国は苦労しまいし、「つくる会」の教科書なぞ支那・韓国では大歓迎してくれよう。イスラエルとパレスチナが未来永劫憎み合うことなどあらうはずも無い。喜ぶ人がゐるから参拝する必要はある……。反論するのもバカバカしい。かかる頭脳の持ち主が選挙に出る、出させる。やはり、日本はどうかしてゐる。

 いづれにしても、自民党執行部は堀江を担ぎ出した。当選した暁には無所属のままではあるまい(私としては彼に無所属で縦横無尽の「活躍」を期待してゐるのだが、政界とはさういふところではない)、当然自民入りするであらう。となると、方や古賀誠がゐて、いやいや、古賀と堀江は同根か。もとゐ。方や安部晋三がゐて(自ら離党すれば復党も認められるさうだから)造反組のつはものがゐて、方や堀江貴文……やはり野合ではないか。

 清廉潔白を求めるつもりなど私には毛頭ない。清き水に魚は住まぬ。にしてもである。何度でもいふが、国家感――つまり、憲法問題・防衛外交(拉致問題も含む)・教育論・歴史観などにおいて何の共通項も持たぬ人々の集団を、政党とは認められない。

 前に書いた人権擁護法案――今私が最も懸念する問題――この法案一つとつても分からうといふものだ。法案に全く興味を示さず、事の重大さに気づかぬらしい小泉、気づいてゐるからこそごり押しする(「引退」した野中を筆頭に)、確信犯ではないのかも知れぬが古賀以下の法案賛成派が一方にあり、一方に必死の抵抗を試みた安部が(平沼・城内・古川らの面々も追加公認されれば)同じ屋根の下にゐる。

 平沼、城内氏らを排除して全く違ふ自民を作るのが目的かと思つたら、さうでもないらしい。片方では稲田朋美弁護士を福井から公認出馬させてゐる。稲田氏とは直接話したことがあるが、その限りで判断すれは、間違ひなく人権擁護法案には反対してくれる。この人選には自民党執行部に大感謝。推測に過ぎないが安部晋三氏が推したのだらう。

 完璧に純粋に同憂の士が集まる必要は無い。そこまで単純なことをいふつもりも無い。今回の選挙の結果を受けて、政界再編が先に挙げたやうな国家意識に基づいて行はれることを切に願ふのだ。真性保守とリベラルと、この両者の間で我々国民が政権交代を意識した投票を行へるやうに、一刻でも早くならねばこの日本に未来はなからう。(この項続く)

 付記:てっく氏のブログに面白い動画が掲載されてゐる。南京難民区国際委員会(22人の外国人によって組織された)による難民区の様子ださうだ。出所不明なのが残念だが、こんなものわざわざ手間隙掛けて偽造する金も技術もなかつたらう。やはり南京大虐殺は白髪三千丈の世界らしい。
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by dokudankoji | 2005-08-24 15:48 | 雑感


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