2010年 06月 04日

真逆!

 先日家人が、「マギャク」といふ言ひ回しは何ごとだと言ひだした。横にゐた娘が「ずいぶん前から流行つてゐるよ」と答へてゐた。私は一言、「汚い、厭な言葉だね」と。

 ところが驚いた。東洋学園大学准教授の櫻田淳氏が二日付の産経新聞正論で、これこれしかじかの「言葉に現れたものとは真逆の風景である」などと書いてゐる。付き合ひ切れない。一応評論家であり、大学で教鞭を取る身であらう。

 いくら書いてゐる内容がまともであつたとしても、これは酷すぎないか。「正反対」では何故いけないののだらう。櫻田氏はいつ頃から「マギャク」といふ言葉を口にするやうになつたのだらう。子供のころから? そんなお若くもないだらう。手書きで原稿をお書きなのだらうか? ワープロソフトで「magyaku」もしくは「まぎゃく」と入力すると「真逆」と変換してしまふソフトがあるなら、それは即刻お止めになることをお奨めする。

 皆さんも、一時の流行語を若者に媚びるがごとく使ふのはおやめになつた方がよいだらう。その媚びそのものゆゑに、軽蔑されるだけだ。少なくとも「まとも」な若者はさういふところを見抜く。

 今日、異国の知人からメールが来た。以前久しぶりに帰国した時、「お名前様を頂戴してよろしいですか?」と聞かれたと言ふ。異国暮らしが長いため、この言ひ方が間違つてゐると思ひつつ、どこか不安だつたらしい。勿論、とんでもない誤りであるといふ返事を出した。人間ならぬ人の名前に「様」を附けられる鈍感に開いた口がふさがらない。ついでに言へば、「お名前、頂戴してもよろしいですか?」も私は拒否する。やらんぞ、私の名前は、と返したくなるのだが、この私の感覚、をかしいのだらうか。「お名前、頂けますか?」も頂けない。 

 では何と言ふのか、と聞かれると、実は答へにくいのだが、前後関係で、色々言ひやうはあるだらう。「お名前、お教へ下さいますか?」「~~お教へ願へますか(頂けますか)?」などなど。名前は人にやつたり貰つたりするものではない。こんなことまで書かなくてはならぬとしたら、世も末。
 
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by dokudankoji | 2010-06-04 00:51 | 雑感 | Trackback | Comments(4)
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Commented by milesta at 2010-06-04 21:39 x
ご無沙汰しております。

驚きました。最近twitterとやらを始めまして、先日来、私もtwitter上でこの「真逆」ともうひとつ「半端ない」(半端ではないの意)という言い方への違和感を訴えており、今朝も同様のことを書いたところです。なんというタイミングでしょう!

どちらも、よい大人が使っており、とくに「真逆」は著名な政治家から京大の大学院を出た研究者まで使っているのを見て、何とかしてここで食い止めなければならないと思った次第です。
しかし、twitter上での反応は今ひとつです。もう間に合わないのでしょうか・・・。
Commented by dokudankoji at 2010-06-04 23:09
milsta様 ご無沙汰。コメント有難うございます。 
 間に合ふか間に合はないかではなく、違ふものは違ふ。さう言ふほかないのでせうね。みん言ふんだからイイじゃん的な立場に立つてしまへば、なんでもありでせう? 私が仮に正反対といふ言ひ方があるのだから、「逆」に「正」を附けて「正逆」と言つたとしても、なぜいけないんだと、もう、かうなつたら、言葉の規範と歴史が失はれます。それは保守の思想ではありません。水は低きに流れるとしても、私はそれが洪水にならぬやう、煩(うるさ)いぢぢいと言はれても、堤防の役を最後まで努めます。文化的にも政治的にも、その覚悟がない人間は保守とはいへない。
Commented by milesta at 2010-06-04 23:52 x
仰るとおりですね。洪水にならぬよう、言い続けなければ・・・。


Commented by dokudankoji at 2010-06-05 18:43
二つ上の私のコメント、「みん言ふんだから……」は「みんな言ふんだから……」です。


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