福田 逸の備忘録―独断と偏見

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2009年 09月 09日

首の振り方 2

 ウィキペディアにこんな記事が出てゐる。<ブルガリアでは「はい」の意思表示として首を横に振り、「いいえ」として首を縦に振る。近年首振りを国際標準に改めようという動きがある>。

 といふことは、世界で首の振り方が異なるたつた一つの国? それは貴重だ、どうか世界標準になど改めないで欲しい。私はあらゆるものについて、グローバル・スタンダードと聞くと眉に唾をする。

 ブルガリア公演を一手に引き受けてくれてゐる夫妻に、昨日の食事の折に聞いた話。この首の振り方のそもそもの始まりは……といつても伝説に近い説なのだが、オスマン・トルコに征服された時、喉元に剣を突き付けられて、イスラム教に宗旨替へを迫られた王が、服従にイエスと答へながら頷かうとしたが、頷けば剣が喉に刺さるので、首を左右に振りながらイエスと言つた、以来、世界で唯一(?)首の振り方が普通とは逆の民族が誕生してしまつたとか。

 その夫妻の奥方は東京学芸大学の大学院に学び、日本語ぺらぺら、はなはだ知的な美人だが、ロシアで育つたため、祖国ブルガリアに戻つた時、やはり、この首の振り方にかなり戸惑つたとのこと。

 話はあちこちするが、今回の「白鳥の歌」等の公演が実現したのは、この夫妻がブルガリア側ですべてを段取つてくれたからなのだが。来てみて舌を巻いてゐる。こちらに着いてから、稽古の間を縫つてプレス・カンファレンスやら、メディアの取材やら、ラジオ・テレヴィへの出演など制作・演出・俳優、合はせて十回を超えるのではないか。二都市でたつた六回の公演に、である。

 しかも、その奥方、それらの会見や取材、テレビ出演等の通訳をこなしながら、一幕物三本の字幕の翻訳を、完璧にこなしてくれた。日本人の観客が笑ふタイミングで、ブルガリア語の字幕を見ながらの観客が笑つてゐるのには驚嘆の一語。それが完成したのが初日前夜の徹夜。こちらは頭が上がらない。感服するのは、そのハードスケジュールをこなして、ネを上げない。疲れた顔を少しも見せずに、いつもにこやかに美しい笑顔を見せてくれる。

 今までの海外との交流が成功するかしないかは、相手が日本を好きであるか否か、ほとんどそれに掛つてゐたが、今回も同じ感想を持つてゐる。(ブルガリア時間8日21時50分記)
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by dokudankoji | 2009-09-09 03:50 | 雑感 | Trackback | Comments(1)
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Commented at 2009-09-14 01:01 x
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